津本陽
椿と花水木 ~ 万次郎の生涯
by 七色カラス on 4月.16, 2010, under ジョン万次郎の本・伝記・伝記的小説, 津本陽
椿と花水木 ~ 万次郎の生涯
津本陽 著, 1996 新潮文庫
ご存知ジョン万次郎の生涯を、その幼少時代からアメリカへ渡るいきさつ、アメリカ時代、 そして日本で待ち受けるさまざまな出来事、そして旧友との再会等々、 感情豊かに描くジョン万次郎の伝記の最高傑作。 津本陽氏の作品はみんなそうだが、まるでジョン万次郎が目の前にいるかのような錯覚を覚えるほど 情緒豊かに描かれている。史実にも客観的で、かつアメリカでのラブロマンス、そしてアドベンチャー。 夢と歴史の世界に浸りたいときにお勧めの一冊。ジョン万次郎の本といえばこの一冊。
※ 心に残った一行 ※
遭難しジョン・ハウランド号に救助され、ハワイ・オアフ島での別れのシーン。 「万次郎が筆乃丞の言葉を伝えると、キャプテンはうなずき、彼の目をのぞきこむ。 『お前や、どうすりゃ』『わえはキャプテンといっしょにいきたい』」
HTML版 書評・レビュー 椿と花水木 ~ 万次郎の生涯 より、手元にあるジョン万次郎 関連の本の書評をまとめてアップする機会に転載。
この本 『椿と花水木 ~ 万次郎の生涯』は、病気で入院中に、病院の売店で何の気なしに手に取ったものでした。
「治るのだろうか?」、 「仮に退院できたとしても、仕事に復帰できるのだろうか?」という不安を、この本を読んでいる間だけは忘れさせてくれました。
それ以来、何か落ち込むようなことがあった時や、先が見えないような何かにぶつかったときには、必ずといっていいほど、この本を読みました。カバンにいつも入れて歩いて。 そのせいで、もうボロボロです。
何度も読んだせいか、歳をとったせいか、今現在の心に残る一行をあげるとしたら、万次郎が十数年ぶりに土佐に帰って、お母さんと再会するシーンです。
歳はとりたくないなぁ (笑)
ところで、ほんとに余談ですが、この本を読み終えたとき、この『椿と花水木 ~ 万次郎の生涯』を原作にして、NHK大河ドラマにでもして欲しいなぁと思った。
そして、2002年のNHK大河ドラマ「利家とまつ」の豊臣秀吉役で香川照之さんを初めて知ったとき、「あ、この人にジョン万次郎を演じて欲しい」と思いました。 なんかぴったりなんですよね。イメージが。
NHK大河ドラマで一年間は難しいかもしれませんが、土曜ドラマ枠とか、NHKスペシャルドラマ枠あたりで、ジョン万次郎の話をNHKにドラマ化して欲しいなぁ。 ドラマのイメージとしては、「 菜の花の沖(司馬遼太郎著) 」を竹中直人さん主演でドラマ化したときのようなイメージでしょうかね。