失われた20年

by 七色カラス on 3月.07, 2010, under 政治・経済・経営

失われた20年
朝日新聞「変転経済」取材班 編, 岩波書店, 2009年2月 発行

2007年5月~2008年5月までの1年間、朝日新聞の経済面に連載した「変転経済-証言でたどる同時代史(計48回)」の約半分を選んで加筆し、2008年秋以降の動きを新たに書き下ろしたもの。

失われた20年の節目節目の事件や出来事を、政治家や官僚など、当時のキーパーソンが何を思いどう動いていたのか、ドキュメンタリータッチで、関係者の証言を交えて、時々刻々と伝える形式なので、流れがつかみやすい。

失われた20年のキーとなるそれぞれのエピソードで、当事者の受けた衝撃がよく伝わってくる。

まるで、

  • 幕末のペリー来航と開国
  • 太平洋戦争敗戦とGHQ主導による復興

を時代を変えて読んでいるような印象を受けた。

ただ、違うのは、現代の日本が、いまだ「明治維新」や「戦後復興から高度経済成長」に相当するポジティブな転換を見出せていないところ。

あるいは、非常によい戦略、施策を実行寸前で思いもよらぬファクターによって転換に失敗しているところ。

「この事件が起きたときには、自分はあの仕事をしていたな」などと思い起こしながら、読み進むと、あの時、あの時代に、金融や世界市場の裏舞台でこんな出来事が起きていたのかと、改めて、自分の無知を思い知らされた。


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